53歳責任世代が浦添市の新しい明日を創る! 松本哲治「百花繚乱日記」ブログ

まつもとてつじのドタバタ市長奮闘記

坂道の登り方

ひだまり通信12月号コラム「百花繚乱日記」より転載

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「坂道の登り方」

 マラソンやトライアスロンに挑戦するようになって、少しずつではあるが、僕でも走れるようになってきた。先日行われた尚巴志ハーフマラソンも何とか完走することができた。尚巴志マラソンと言えば、あの有名にして最大の難所・新里坂(しんざとびら)である。車で登るのもしんどい、150メートルの高低差を約1キロで一気に上がる、あの急な坂道である。僕はジョギングをするようになって、面白いことに気が付いた。それは、坂道の登り方である。

 正しいかどうかは分からないが、僕なりの登り坂攻略法を書くと、ポイントは「先を考えない」である。体を前に倒し、歩幅を小さくして、足元だけを見つめる。とにかく「上を見ない。残りを考えない」ようにしている。僕の場合、上を見ると必ずガッカリする。残りの距離、坂の勾配、まだまだ続く登り坂。顔を上げて先を見ても、いいことは何もない。だから、登り坂にさしかかると、僕はただひたすらに視線を落して足元だけを見て、一歩一歩を踏み出しながら、全く別の事を考える。永遠に坂道が続くかのように覚悟して、周りの風景さえ見ないようにひたすら足元を見続ける。すると、気が付くと頂上に到達している。これは本当なのだ。気が付くと坂道はあっけなく終わっているのである。前述のあの名所・新里坂でさえそうだった。「あれっ、もう頂上?」って感じで唐突に登り坂は終わったのである。

 この坂道の登り方は僕に大切な人生の歩き方を教えてくれた。人生にはガンガン進める下り坂も、スイスイ走れる平らな道もある。でも、残念ながら辛くて苦しい登り坂もある。そんな逆境の登り坂も、大切なことは「上を見ず、先を考えず、一歩一歩の足元(日々のやるべきこと)だけに集中すること」だ。すると、あっけなく坂道は終わりを迎える。マラソンの登り坂と同じで、気が付けばいつの間にか辛い登りは終わっているのだ。険しい坂道になるぞと頭から覚悟して「今、ここ、目の前」に専念すればするほど、拍子抜けするほどにあっさりと頂上が目の前にあらわれる。そこではじめて顔を上げて周りを見渡せる時が来る。そこではじめて立ち止まり、登って来た坂道を振り返る。

 終わりのない登り坂はない。だから、先を考える必要も、残りを数える必要もない。苦しい登り坂の途中にいるあなた、とりあえず日々の足元の一歩一歩から。

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Posted by 松本哲治 at 2011年11月30日   16:29
Comments( 4 ) コラム:百花繚乱日記
この記事へのコメント
さすがです先輩
勉強になりました

《親泊》
Posted by テンとテンテン at 2011年11月30日 16:38
いつも素敵な文章


私の尊敬する松下幸之助さんの言葉のようです。毎月PHPの後ろ表紙に書いてあります。今の私の気持ち知ってるんかい?って思うくらい、いい文章です。


最近、異動などで、いろいろあり、凹みそうになったりしましたが、足元1歩1歩からですね

ありがとうございます
Posted by MANA at 2011年11月30日 21:48
テンとテンテン様、
コメントありがとう。コメント・バックしにくいコメントだなぁ。

MANA様、
そうか、凹んでるのか。足元、足元。きっと半年後にはあれで良かったと思える日が来ますように。
Posted by 松本 at 2011年12月02日 09:20
なるほどです!

感動しました・・・
先を考えずに歩くことも
必要なんですね・・・

ありがとうございます・・・
Posted by kepkep at 2011年12月06日 14:03
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