53歳責任世代が浦添市の新しい明日を創る! 松本哲治「百花繚乱日記」ブログ

まつもとてつじのドタバタ市長奮闘記

公約を撤回することについて


公約についての私の考え方をこちらで書いておきます。少し長いですが、じっくりと読んで頂けると有難いです。

まず、今回の公約の撤回について、公約の実現を心から望んで一票を投じて頂いた方には、改めてお詫びを申し上げるしかありません。

しかし、同時に、決して「公約」について軽々しく撤回していいものだと、私が認識しているわけでもありません。

ただ私が申し上げていることは、社会や政治状況など世の中の時流が日々刻々と変動していく今日において、私たち政治家は選挙時に掲げた「公約」が時代の変化の中で、今でも正しいのかどうかを常に検証していく必要がある、ということです。

今回の場合、①「軍港移設に反対」し続ける場合と、②公約を撤回し「受忍」する場合とを、冷静に比較検討する必要があったのです。

①「反対」し続ける場合、その実現可能性を見極めることなく突っ込めば、「一生懸命頑張ったけど無理でした」となります。あくまでも「反対」することの目的は、那覇軍港の浦添への移設の「阻止」でなければならず、決して「市長の頑張り」ではないはずです。私は市長と言う仕事は「どれだけ頑張ったかというプロセス」だけで評価されるのではなく、「現実に目的を達成(今回の場合は移設の阻止)することが出来たかどうかの結果」がより問われるべきだと考えています。それが未来に責任を負う「責任世代の政治」だと私は信じています。

では、今回の軍港移設のケースを考えていますと、市長就任後、この2年間さまざまな情報を集め、法律や行政手続き、政治的環境を分析してきました。その結果、「公約の反対」=「浦添移設の阻止」の実現可能性はかなり低いと言うのが、残念ですが、現在の私の見解です。浦添への移設は浦添だけで決定できないのが悲しい現実です。浦添市長選挙の時とは違って、今は当事者である那覇市長も沖縄県知事も日本政府もアメリカ政府も全てが那覇軍港の浦添移設を進めようとしています。今話題の「辺野古への移設阻止」よりも格段に難しいのが「浦添への移設阻止」なのです。なぜなら、あの翁長県知事や城間那覇市長でさえ「浦添への移設」を望んでいるからです。さらには、辺野古移設とは違い、マスコミ各社もオール沖縄のみなさんも浦添移設に関しては積極的に取り上げることはなく消極的容認の立場ですから、浦添市のみで「浦添移設の阻止」を実現することはかなり困難と考えなくてはなりません。

私にとって非常に難しい選択だというのは、「頑張ったけどダメでした」の結果が現行計画通り「西海岸のど真ん中に那覇軍港が建設される」という最悪の結果になりかねないという冷徹な現実と向き合わなくてはならなかったからなのです。

こちらが現行計画案です↓
公約を撤回することについて

②「受忍」した場合、私個人的には批判を浴びます。事実、「公約違反」「嘘つき市長」など罵声を浴びせられています。しかし、今回の場合、「受忍」することで西海岸のど真ん中に位置していた那覇軍港を南側の端へ移動することの協議が始まりました。これがうまく行けば、北向きのビーチはサンセットを楽しむことのできる西向きになり、軍港は真っ正面から消え、埋め立て面積は最大小学校33校分減らせることができます。沖防波堤も短くなり、カーミージ周辺の環境保全地区への潮流に与える影響も最小限に抑えることが出来ます。美しいイノーの海を守るためにも、今取りうる現実的な自然環境保護の一策ではないでしょうか。

こちらが新しい浦添市案です↓
公約を撤回することについて

別の視点から見てみると、那覇市も沖縄県も日本政府もアメリカ政府も合意し推進していた現行計画を、「反対」することで「白紙」にすることはできなくても、「受忍」することで浦添にとってより良い計画「浦添市案」へと変更することが可能な段階まで持ち込むことができました。日米間で交わされた政府間合意であるにもかかわらず、一地方自治体の浦添市の要望で現行計画(日米間合意事項)を変更できるかもしれないのです。それが今回私が「公約の撤回」と引き換えに選んだ選択でした。

「公約」は守ることが基本です。しかし、今回の場合、公約の実現期間である任期4年中に、大きな節目(西海岸開発計画の変更に関する長期構想計画策定の時期)と政治的な環境変化(那覇市と沖縄県が市長選挙時の反対から推進に変更したこと)が発生した異例中の異例な条件下での判断で、まさに苦渋の選択でした。さまざまな考え方があることは認めますが、私は今回の私の選択が必ず浦添市の未来を開くと信じています。ご理解頂けると幸いに思います。


Posted by 松本哲治 at 2015年05月06日   15:49
Comments( 19 )
この記事へのコメント
 松本市長の御判断は、社会情勢や周りの有力者たちの意見の変化などに柔軟に対応されており、むしろ、判断能力の高い素晴らしい市長だと思います。
 詳細を検討せず、意見が合わないものを単に数の力で批判している思考停止の方々が誰なのか?市民みんなが気が付く必要があります。
Posted by okinichikaiokinichikai at 2015年05月06日 16:02
結局は言い訳ばかりじゃないですか?
やると言ったことを出来ないと解った責任も感じている。
それならば取るべき行動があるのではないでしょうか??
最善最善と言われても、一票はあなたの考える最善への一票ではない。
市民の気持ちに近い新たな若い力が、政治の世界を大きく変えると期待していたのに、結局はあなたも汚い政治と一緒。
一票を重く感じているなら、謝罪の前にやるべき行動があるのではないですか?
再選挙には新たな税金がかかるとでも言い訳しますか?
だんだん嫌味になってきましたが、あなたを信じてきた分、騙された気分です。
Posted by 翔 at 2015年05月06日 19:21
4月20日のFBで「陰でいろいろ言ってても、それは政策論争にはなりません。堂々と議論しましょう。」とあったので、期待してましたが、、、

実際は市長の話が長すぎで、住民は3名しか発言できなかったと、今朝の新聞にありましたね。

そういう所が増々、信用を失ってるんだな~と感じました。

あの翁長県知事や城間那覇市長でさえ「浦添への移設」を望んでいるかもしれませんがとありますが、お二方は浦添市民ではないので、、、

浦添市民の声を第一に聞いてほしいな、、、住民投票できればいいのにネ
Posted by さくら at 2015年05月06日 20:16
変更に自信があれば 辞任し 再選挙で市民の真を 問えば 解釈 時代の流れ 判ります。

辞任を 進めます。再任を 取付 自信を持って 正々堂々 進めめれば very good
Aren't you ?
Posted by George 祖尊 at 2015年05月06日 20:22
公約違反の市長。まさしくそのとおりですね。
しかし...批判的なコメント読んでて、ロバと老夫婦の話思い出すね。何をしても批判ばかりしている思考のウチナーンチュが増えたよね。これもマスコミのプロパガンタのおかげかね?(笑)
コメントされた方を批難するわけじゃないが...沖縄の自然を守れ!浦添に軍港を建設阻止!といってて、自分の部屋の掃除や親孝行、外のゴミでも拾っている奴いるかね?文句や批判をしている奴は、自分に不満があって人生に満足できない理由を周りのせいにしている奴らしいが?どうなのかな?
最終判断で受け入れが決まった。知事は汚点を残したかもしれないが、この事を進めることが沖縄の浦添市の発展につながるようにするのだ!という決意も感じるよ。
Posted by やましろ at 2015年05月06日 21:46
沖縄タイムスではかなり偏った記事が掲載されていた様に思います。
ご心労お察し致します。

形としては公約違反となってしまいますが、私は今回のご判断は浦添市のことを考えてなされた判断だと信じ支持します。
松本市長に投票したからには、今回のご判断も含め応援しています。

ただ、メリットデメリットを明確にし、しっかりと市民には説明された方がいいとは思います。
そして、松本市長を批判する方はその前に、しっかり市長のご説明を伺いましょう。
Posted by 柳原 at 2015年05月07日 00:40
沖縄タイムスではかなり偏った記事が掲載されていた様に思います。
ご心労お察し致します。

形としては公約違反となってしまいますが、私は今回のご判断は浦添市のことを考えてなされた判断だと信じ支持します。
松本市長に投票したからには、今回のご判断も含め応援しています。

ただ、メリットデメリットを明確にし、しっかりと市民には説明された方がいいとは思います。
そして、松本市長を批判する方はその前に、しっかり市長のご説明を伺いましょう。
Posted by HIRO.Y at 2015年05月07日 00:41
松本市長!素晴らしい判断だと思います。
ただ反対では物事は解決しない、無条件反対を叫ぶだけが政治家の仕事ではないと思います。

極端に偏った沖縄マスメディアに辟易しております。
印象操作や情報隠蔽、さらには彼らの意にそぐわない場合は事実すらねじ曲げる報道は異常です。
プロとして恥ずかしく無いのでしょうか?

メディアリテラシーが問われる沖縄、これはマスメディアの問題であると同時に、市民県民の問題でもあります。
賛否両論あって良いと思いますが、
公平な報道や多面的な見地からの報道を全く行わない沖縄メディアに毒される事ないよう、市民の皆さんには賢明な評価をして頂きたいと思います。
Posted by 比嘉 at 2015年05月07日 08:03
松本市長は市長選で当時の立候補者では出せない公約を掲げたからこそ当選出来たのではないでしょうか。(給食費無料化など)

他の立候補者が現実的でインパクトに欠ける公約を掲げていた中、松本候補の掲げる公約はとても魅力的で夢のような内容でした。それに多くの市民が賛同し期待したからこそ熾烈な市長選に勝利されたと思います。

しかし、目玉の給食費無料化すら実現しておらず、公約に掲げているものの多くがいまだなされていません。

現状での市長の発言は「市長になってからやっと現状がわかったんだもーん」と言ってるようにしか聞こえません。現実不可能な夢物語を並べて市長選を戦ったのなら言語道断、立候補時の公約を破棄するなら、職を辞して改めて民意を問うべきではないでしょうか。

民主党政権の「やるやる詐欺」に目を覚ました国民が自民党を選んだ当時の浦添市長選、浦添市民はまたしても「やるやる詐欺」にひっかかったのでしょうか。情けないことです。
Posted by うらそえんちゅ at 2015年05月08日 00:10
市長の判断に心から賞賛申し上げます。先日のてだこホールでの意見公聴会に参加致しました。市民からの質問が三名のみとありましたが、あの現場は怒号飛び交う場で、とても大人の議論の場ではありませんでした。三名のみしか意見を言わせてもらえなかった、ではなく意見を言えない状況を市民の側が作ってしまってたというのが正解です。
そんな中で堂々と1人で向かいあう松本市長に私は尊敬の念さえ覚えました。仲井真前知事がそのようなことをしたでしょうか。
翁長知事や城間市長の翻意を持ち出すのは問題のすり替えだと主張する方も多いですが、私は沖縄の抱える問題の本質はそこにあると思います。浦添市の皆さん、皆さんは浦添市民であると同時に沖縄県民でもあるはずです。浦添市の軍港移設には容認し辺野古は反対するという、矛盾をもっと強く議論するべきです。
しかし、そうしても辺野古の問題は翁長知事も結局は松本市長と同じ判断に至るものと思います。
それは、汚くも諦めでもありません。それが現実的な選択です。
そう思ってる沖縄県民も多数います。松本市長を強く非難してる市民は一部の方です。松本市長に投票した大多数の市民は、松本市長の苦渋を理解し、支持するはずです。
私だって、基地はないほうがいい。
松本市長であれ、誰であれそうであるはずです。基地が大好き、喜んで誘致したい人間など、いません。
松本市長には、堂々と自信をもって翁長知事や城間市長と渡り合ってほしいです。辺野古問題もちらつかせながら‥
Posted by ゴン at 2015年05月08日 00:46
沖縄に新たな基地は作らせないと公言してる翁長知事が何故に浦添新基地建設には賛成してるのかの矛盾を翁長知事に抗議しないのか?
公約を撤回する前に翁長知事に抗議すべきでしょう
それとも翁長知事に抗議すると自らの政治生命が失われる危険性があるから抗議しないのか?
ブログには会ってくれないとかの言い訳してますが会ってくれないなら毎日 県庁に出向いて会いに行く努力はしたんですか?
何もしてないのに苦渋の選択とは よく言えますね
Posted by けん at 2015年05月08日 00:53
苦渋の決断だったのですね
理想と現実は違うもの

もちろん重なる部分もありますが…


ブログの中で気になったのが
『オール沖縄のみなさん』
よくマスコミで使われるフレーズですが
違和感はないですか?

普天間移設も移設先周辺住民が全員反対なのか
あまり報道されませんがね

耳障りのいい言葉に踊らされては行けません

本題に戻ります

浦添への移設反対の根本の理念はなんだったか

市民の安心・安全であれば
移設されてもそれが担保されれば
考える余地があると思います


いろんな批判はあると思いますが
政治屋とは違う
責任ある政治家として期待しています
Posted by いお at 2015年05月08日 05:10
税金を使わずに実行できる改革お願いします。
使うのなら費用対効果の高い事業をお願いします。

増税はうんざりです。
Posted by しろま at 2015年05月08日 09:16
受忍すれば、現行案から浦添市案に変更して協議ができる。
とのことですが、
現行案では、埋めずに済む部分まで無駄に埋めるということになります。
第三ステージの部分で済むなら、
移設する、しないにかかわらず
浦添市案に変更して移設協議してはいかがですか?
何だか騙されているような、
丸め込まれているような
議論のすり替えのような気がします。
Posted by 那覇市民 at 2015年05月10日 22:19
1日も早くキンザーを…の最後の一文はすぐに撤回してください!国や県、アメリカとやりあう覚悟もないのでしょう?
言えば必ず市民が期待します。これまでもさんざん結果的には空手形に終わっているアドバルーンを打ち上げては終わりを繰り返して来て何度も何度も市民の期待を裏切り続けてきたのだから…(何も軍港の話だけをい言っているのではありませんよ!市役所の中に託児所を作る。市内を無線LANだらけにする…夢ばかり広げて来て何ひとつ実現できないじゃないですか!市議会の方のブログを拝見したら、就任してからずっと市議会を掌握出来ずにひとりで浮いて結果独善的な決断を突然したり、リーダーシップを発揮すべき 局面で決断出来ず、「 決められない市長」と揶揄されていたみたいですね。市民向けの爽やかなイメージばかり作ろうとして、やってきたことに裏表がありすぎませんか?
イメージ戦略は大成功でに人気はあるみたいですが本気で期待した人たちをこれ以上がっかりさせないように、さっさと退陣してください。何も軍港のことを言っているのではありませんよ。市長がやってきたすべての施策についてです。
前市長のがまだたくさんいい仕事をしてきたと思います。福祉出身なのに何故前市長が作った豊かな福祉政策以上のことが出来ないのですか?訪問して写真パチリもいいですが、市長にしか出来ない財政的な施策はゼロ、何か爽やかイメージばかりで何も出来ないんですね!
わたしはあなたに強く期待してきた市民のひとりです。もう一年以上あなたの取り繕い市政につきあうのはウンザリです。
Posted by いじゅういじゅう at 2015年05月12日 23:11
元、浦添市民で今は東京にいるものです。
書かれていることには納得です。
ですが1点だけ気になりました。

公約を破るのに、なぜ市民の意見を聞かなかったのか?

blogの内容を拝見した限り、市長の思いは伝わります。
ただ、市民の思いが同じベクトルを向いてるとは思えません。
急を要する事だと思ってますが、辺野古の移設のように、一度承認してから着手しているのに取り消せと言うのは凄く時間がいり、また取り消せない事がほとんどです。

※現に外から見てると、仲井間(元)知事が辺野古の移設を容認し、工事計画を立てて実行しようとしているのに、翁長知事が反対し、工事の妨害をしてるのをみると、ヤクザ紛いのことをしてるようにしか見えません。

そのリスクを考えると、一度市長を辞任した後、再度選挙で市民の判断を仰ぐべきだったのでは無いでしょうか?

今回、批判されているのは、【報連相】ができてない状態で決断されたのが原因だと思います。
今後、基地などの大きい問題に関して、市長様のお考えが変わったなら、しっかり市民に伝えてから決断されることを期待しております。
Posted by 比嘉 at 2016年01月01日 20:23
公約を撤回するのならば辞職して再選挙を行うべき。最近、嘘つきが多くて困ってます。
Posted by 市民 at 2016年05月31日 10:41
交渉術ですよね。このようにきちんと説明責任を果たしながら政治をすれば、あとは任期満了後に選挙で信を問えばいいと思います。公約をできなかったことは、過ちではありません。税金を私的に使う道徳心の欠如よりましです。
Posted by 浦添市民 at 2016年05月31日 15:55
苦渋の決断だったのでしょうね。
決断をされた市長の勇希を評価します!

浦添市のためにより良い選択が必要である以上、市長の選択、決断を評価したいと思います。

市長が、このように具体的に説明をされれば、多くの市民は必ずや評価すると思いますし、私は快く受け入れたいと思います。
Posted by 若園篤利 (元浦添市民) at 2016年05月31日 23:01
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
[公開]
[非公開]
※管理人のみ管理画面から確認することができます。
[公開]
[公開]
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。