53歳責任世代が浦添市の新しい明日を創る! 松本哲治「百花繚乱日記」ブログ

まつもとてつじのドタバタ市長奮闘記

アンパンマンのエキス①

出張で東京に来た時のことだ。

場所は有楽町駅前、何かお昼を食おうと思って探したのだが、
あまりの飲食店の多さに迷った挙句、小さなレストランに入った。
結局、その選択は失敗でまずくはなかったが量の少なさと値段の高さ、対応の悪さにがっかりした。
あんなにたくさんあった飲食店の中からわざわざあんな店を選んだのかと、
自分の選択眼のなさを後悔した。

ところが、店を出るとちょうど交差点の向こう側で大声を張り上げている青年が目に入った。
よく見ると、献血センターの人で、一生懸命に街ゆく人に献血をお願いしているのだった。
時間がギリギリだったこと、寒かったこと、今出てきたレストランの対応の後味の悪さとで、
献血する気になれなかった。しかし、その青年の懸命さに打たれて急いで献血することにした。

その日、冷え込んだ真冬の東京は肌を切るような冷たい風が吹いていた。そんな中を、

「献血をお願いします」

「あなたの血液を必要とする人がいます」

「今、血液が足りなくて困っています」

多くの人が足を止めることもなく過ぎゆく中を、彼は声が嗄れそうなほど懸命に頭を下げていた。
僕は彼の懸命さにちょっと感動した。
今どき、呼込みやキャッチだってこれほど一生懸命にお願いしたりしない。
大変失礼なことだが、僕はこの呼び込みも歩合制なのかなと思ったりした。
いつものように献血センターで献血を終える前に看護婦さんに失礼を承知で、僕の疑念を訊ねてみた。

僕 「表で呼込みをしている男性はバイトですか?」
看護師 「いいえ、当センターのスタッフですよ」
僕 「何人献血してもらえるかで手当てが付くとかあるんですか?」
看護師 「いいえ、まったくそんなことはないですよ。どうしてですか?」
僕 「いえ、彼があまりにも一生懸命街ゆく人たちに献血をお願いしていたものですから、
  ついつい変な事を考えちゃって・・・」
看護師 「いいえ、最近は本当に血液が足りなくて困っているんです。
  それで、みんなで力を合わせてお願いしているんです」

僕は自分の低俗な疑いを恥じた。
そんな質問をした自分がなんだか情けなくなってしまったが、
献血終了後の献血ルームに置かれていたある文章を読んで、
彼がなぜあんなにまで声を嗄らせて献血を呼び掛けていたのかを知った。

(明日に続く)


Posted by 松本哲治 at 2009年01月15日   07:27
Comments( 2 )
この記事へのコメント
「ある文章」気になります。早く読みたいところをグット我慢して、明日のブログを楽しみにしますネ。
Posted by ひまわり at 2009年01月15日 11:06
ひまわりさん、

コメントありがとうございます。
読んだら感想聞かせて下さいね。
Posted by 松本 at 2009年01月16日 11:28
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