53歳責任世代が浦添市の新しい明日を創る! 松本哲治「百花繚乱日記」ブログ

まつもとてつじのドタバタ市長奮闘記

ピリピリとゆるゆる

ひだまり通信6月号「百花繚乱日記」より転載

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「 ピ リ ピ リ と ゆ る ゆ る 」


先日、事務所に相談の電話が入った。

相談内容は、末期ガンで入院中の母が、どうしてもおうちへ帰りたいと言っているという内容だった。
翌日、うちのケアマネジャーが病院へ行き、本人や家族、そして、
医師やMSW(医療ソーシャルワーカー)ら病院スタッフから情報を聞いて帰ってきた。

簡単にまとめれば、予後(よご。患者に残された時間のこと)は三日から一週間、
無意識に抜去(ばっきょ。点滴など体に入れてある医療用の管を抜くこと)してしまうので
二十四時間誰かが横にいなくてはならないらしい。

何よりも、好きだったタバコやお酒も味わいたいので絶対に自宅で死にたいというのが、
本人の強い要望で、家族もそれを望んでいた。

それで、明日退院したいと言う。

このケアマネの号令で、僕らは緊急会議を開いた。
緊急の在宅ターミナル(自宅で最後を迎えること)の場合、
やらないといけないことや調整しなければいけない関係者が複雑で簡単なことではない。
医療制度や介護保険制度とも絡むので行政との調整も発生する。

しかし、最大の課題は、明日にも始まる夜間のケア体制だった。
家族だけでは限界があるので、夜間は僕らが担当することになったのである。
ケアマネ、訪問介護所長、主任、常勤ヘルパーを中心に、緊急でケア体制を組み立てた。
しかし、夜中だけで完結するものではなく、昼間の別の利用者のサービスとも関係してくるので、
他のヘルパーのスケジュールも全て組み立て直す必要がある。
とにかくいろいろ問題はあるが、「総力戦で対応しよう」ということになり、全員が動き出した。

我がライフサポートは、普段から緊張感に欠ける事業所である。
ピリピリした空気はなくユルユルでヘラヘラであり、それはそれでいかがなものかと思う時も確かにあるが、
しかし、こんな緊急時の集中力と結束力は(代表の僕が言うのもおかしいが)見事なものがある。

メインで係わるヘルパーだけでなく、他のケアマネやデイサービスや総務などの直接は関係ない部署まで
「私ができること」を考えてくれる。
それでも、そうは問屋が卸さず想定外のことが起こりターミナルケアはドタバタと進むのであるが、
医師の予想を超えて、彼女は一ヶ月以上の時間を自宅で家族と過ごしてから天国へと静かに旅立たれた。

誰かの希望を叶えるために、みんなで力を合わせることができる「場」をいただける僕らの仕事は
実にありがたい仕事だなぁ~と、今日もヘラヘラと考えている。


Posted by 松本哲治 at 2008年06月04日   09:44
Comments( 3 )
この記事へのコメント
私も死ぬ時は家でと考えてます。
てだこがあれば私の希望も叶うからありがたい!
誰かの希望を叶える事は大変だけど
それを叶えた、てだこスタッフは本物だ~
Posted by 金hiro at 2008年06月04日 20:39
こんにちは

私も福祉用具でターミナルケアの現場に行くことが時々あります。

「最後は在宅で」の希望。少しでも力になりたいですね。


ライフサポートてだこ様のチームプレイお見事です。
Posted by 比嘉勇樹比嘉勇樹 at 2008年06月17日 12:12
金hiroさん、
最近、ターミナルケースが増えています。
スピーディであると同時に慎重さが求められる仕事です。
少しでもご本人と家族に満足していただけるように。

比嘉勇樹さん、
びっくりしました、うちにも同姓同名の「比嘉勇貴」がおりまして。
そうそうユニプラさんでしたね。これからもお互いにいい仕事して
行きましょう。切磋琢磨ですね!
Posted by お松 at 2008年06月20日 12:38
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