ビリーヴ
ひだまり通信10月号「百花繚乱日記」コラムより転載
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「 Believe (ビリーヴ) 」
先日、広島で行われた日本PTA全国研究大会に初めて参加した。
今年から宮城小学校のPTA会長をやることになったので、
是非一度はこの目で見てみたいと思っていた。
浦添市のPTA関係者(通称、市P連と呼ぶらしい)に
これからのPTA活動についていろいろ教えていただきながら、
全国から八千人も集まる巨大な大会を体験していた。
ところが、広島での二日目、携帯に緊急の連絡が入った。
ライフサポートの利用者(お客様のこと)のお一人が
急逝したとの連絡だった。
一瞬で頭が真っ白になった。
その方とは実に僕が広島に発つその前日に会って
話を交わしたばかりだったからだ。
ちょうどその施設では夏祭りを計画していたので、
広島に発つ前にきれいにしておきたくて汗だくになって
施設のお庭の芝刈りをしていた僕に
「いつもご苦労さんだね」
と声をかけてくれたのが彼女だった。
その楽しみにしていた夏祭りを終えた後、
胸の痛みを訴え、救急搬送されたが
そのままお亡くなりになった。
急性心筋梗塞だった。
緊急の連絡を携帯で受けて三度も名前を確認したほどの、
あまりにも急で、あまりにも予期せぬお別れだったので、
心を整えるのに少し時間がかかってしまった。
一瞬、研究大会を退席してすぐにでも
飛んで帰りたい気持ちになったが、
周りへの迷惑を考えるとそれも現実的な判断とは言えず、
結局残ることにした。
それでも彼女との思い出がありありと脳裏に浮かび、
その夜はホテルの部屋でなかなか眠ることができなかった。
大会最終日、全体会の最後で
東日本大震災の被災者の方への祈りと
復興への願いを込めて、
巨大な会場を埋め尽くす八千人もの参加者全員で
「ビリーブ」という曲を歌った。
悲しみや苦しみが いつの日か喜びに変わるだろう
I believe in future 信じてる
あの地震と津波で命を失った人の数約一万六千人、
行方不明者数約四千人。
全ての人にとって突然のお別れだったに違いない。
大会参加者一人ひとりの想いをのせた歌声が
巨大アリーナに響き渡った。
特別な年に行われた特別なイベントへのプレッシャーからだろう、
ステージ上に並ぶ広島実行委員会の
メンバー達はみんな泣いていた。
彼らを見ながら、僕も毎日を一生懸命に、
そして、誠実に生きようと思った。
別れがいつ僕を迎えに来てもいいように。
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