井の頭公園にて

松本哲治

2007年12月26日 19:08


(写真はとあるよく晴れた日曜日の午後)

東京研修センターでの1ヶ月超の日々を振り返る時、なぜか目に浮かぶのは、井の頭公園の風景である。
研修中、僕は一人でよく近所の井の頭公園をジョギングしていた。



木の葉が赤く色づく晩秋から、はらはらと少しづつ落葉していく初冬への季節の移り変わりは、
沖縄では味わえないものであり、その美しさはちょっと僕の言葉ではうまく表現できない。



次から次へと課題を課される集団研修の中に身を置く自分にとっては、
朝もやの残る公園を息を白く吐きながら一人走る時間は、
じっくりと自己を見つめる貴重な時間でもあった。



透き通るように澄んだ冷たい空気。
誰もいない道。
風に舞う落ち葉。
暖かな木漏れ日。
地面を赤く染める落ち葉。
それを踏む音、足が踏みしめる感触、膝が受ける衝撃。

右、左、右、左、・・・。

走っているのにボッーとしてくる感覚。
不思議な陶酔感。



生きていることの喜びよりも、
生かされていることの祝福に酔う感覚。

水面に輝く日のきらめきと、
頬に感じる木漏れ日のぬくもりと、
透明感のある美しい青空と
行きかう人たちと、
自分。



頭はボッーとしているのに、
足は大地をしっかりと知覚している。



誰が僕を導くのだろう。
どこへ僕を導くのだろう。

行き着くところまで行ってみよう、
このまま導かれるままに・・・。

ひとり、走る、自分・・・。