吾唯足知

松本哲治

2007年04月26日 11:52

ひだまり通信5月号の「百花繚乱日記」より

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「 吾 唯 足 知 」

 僕は「ほっかほっか亭」のから揚げ弁当が大好きでよく食べているが、そのほか弁のから揚げを食べながらいつも思うことがある。それは、「チキンのから揚げとは、これ以上美味しい必要はあるのだろうか?」ということである。

つまり、僕にとってほか弁のチキンから揚げはもう既に充分おいしいのである。もちろん、もっと高くて上質の肉を使った最高級チキンから揚げがこの世の中には存在していることも承知している。探せば、千円以上するから揚げもあるだろう。

 しかしだ、から揚げに二六〇円(ほか弁のから揚げおかずのみが二六〇円)以上出して、これ以上のから揚げを求める必要が僕にはないのだ。

 本物の味がわからない奴だと笑う人もいるかもしれないが、アホを承知で公言しておく。これはお金の問題ではない。繰り返すが、「から揚げとは、これ以上美味しい必要はあるのか?」という根源的な問いなのである。似たようなものは僕の周りにはいくらでもある。

 那覇市の新都心に「○まんぎ」という回転すし屋がある。僕は、ここに行く度に同じことを考える。「にぎりとは、これ以上うまい必要があるのか?」と。

 わかってる、わかっているよ、あなたが言わんとしている事は。たかが回転すし屋で、高級でも何でもないありきたりの大衆すし屋なのかもしれない。しかし、それでも僕には「○まんぎ」で充分なのである。あれで充分うまいのである。

 繰り返すが、お金の問題ではない。ゆまんぎにだって、ちゃんと高いお皿もあるんだぜ。

 「ユニクロ」もそうだ。服のチョイスに頭を悩ます必要もなく、店にあるものから適当にサイズだけ選べば、それなりのお値段でそれなりのレベルを保つことができるので、服に関心もセンスもない僕は、そういう意味からユニクロには大変感謝している。これもそう「洋服とは、これ以上いいものである必要はあるのか?」と思ってしまう。

 車も同じ理由から軽自動車に乗っているが、お金の問題ではない(しつこいが繰り返す)。

 「吾唯足知(われただたるをしる)」という言葉がある。

 人間の欲望には終わりがないから、欲を言うと限がないよと言うことだと思う。
「まだまだ足りない、もっともっと欲しい」ではなく、「これで満足、充分幸せ」と、
「自分の今」に、「自分を取り巻く世界」に、日々感謝しながら過ごしたいものだ。 

 そうなのだ、僕は足るを知っているのであり、決してお金がないのではないのだ。

はっはっは!(しつこ過ぎて強がりに聞こえる)

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